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- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: 単行本
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- 作者: 原りょう
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/12
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依頼人を見つけられない探偵など飼い主にはぐれた犬のようなもので、野良犬よりもっと始末が悪かった。
探偵という稼業は人の気持を快適にするために存在しているわけではなく、おおむねその逆なのだった。
「つまらない質問にはいくつでも好きなだけ正しい答えが見つけられるんだ。だが本当の質問には簡単には答えられないものだ。たぶん、質問そのものに答えなどより重要な意味があるからだろう……偉そうに言ってるんじゃない。この世の中で、われわれ探偵ほどつまらない質問をすることに明け暮れている人種もないから、職業柄知っているんだ」
このシリーズは小説で読んでこそ活きる話だろうなあ。あともう一箇所引用。
「そんな陳腐な決まり文句をどこで憶えてきたんです。確かに死んだ人間は二度と帰ってこないだろう。だが、それは死ぬということがどういうことかを知っている者が口にすることだ。あなたには人が死ぬということがどういうことか、解っていない」
「じゃア、あなたには解っているというの? 人間が死ぬというのはいったいどういうことなのよ」
「一つだけはっきりしていることがある。人は死ねば、生き残った人間の想い出の中でしか生きられなくなる。親しい友人や家族やあるいはほかの誰かが、あいつは自殺したんだろうと勝手に納得してしまったとしても、それに一言の抗弁もできなくなるということだ」
なんとなく心に残ったので。