七色

感じることを怠けないように。

愚痴なので畳む。


放っておくべきだって意見が正しいのはわかってる。でも腹立たしいことは腹立たしい。自分以外の他の誰にも一ミリも価値がないものだとしても捨てられなくて大事なんだから、わたしは怒ったっていいと思うんだ。いや、放っておくけどさ、、、。何年、というスパンで覚悟しておいた方がいいと先生には言われる。苦しいのはわたしじゃなくて姉、とか、悪いのはわたしじゃなくて母、とか、それは確かにそうなんだけど、ぎりぎりとそのラインを守って自分を中に囲い込むのは、やっぱり苦しくもある。

たとえばたとえば、てんこが入ってた空き箱、とかさ。学生時代にもらったお手紙、とかさ。そういうものを勝手に捨てられたくやしさとか、最後に愛でることも許されなかった理不尽さとか、思うとやっぱり腹立たしくて喧嘩したくなる。しかもそれが現在進行形で続いていくことを思うと、あーーーー!!! と叫びたくもなる。毛皮のえりまき、絞りの羽織り、色とりどりの帯締め、髪飾り、草履、たんすいっぱいの着物、厚い本や薄い本いっぱい、落書きばっかりのノート山ほど、下手くそな文章たくさん、置き去りにしてる全てをきれいにあきらめるなんてできっこない。ぜいたくを言ってるのはわかるけど、だってあの部屋空き部屋なのに…。

───だけど、たぶん、あのへやに残った全てを、ないと思うけど全部、きれいさっぱり勝手に捨てられてしまったとしても、わたしは姉を、結局は許してしまうだろうな。悲しくて腹立たしくて悔しくて刺してやろうかと思うだろうけど、苦しみはきっと向こうの方が深い。だからたぶん、たぶんたぶん、ほんとうに大事なものはあの部屋にはもうないんだ。それはもうこっちにあって……、でもだからって腹が立たないわけじゃないわけでえええ、堂々めぐりなわけです。

あれとあれとあれは、せめてこっちに持ってこようかなあ、、、。