七色

感じることを怠けないように。

ミットフォード家の娘たち―英国貴族美しき六姉妹の物語

ミットフォード家の娘たち―英国貴族美しき六姉妹の物語

すごく面白かったです。もう絶版なのかなあ、残念。前から読みたかったんだけど地元の図書館になくて、引越したら隣の区の図書館が近くなって、そっちにはあったので借りられた。読めて良かったあ。気になったところだけちょっと書き留めておく。

その後、記憶が戻ったとき、そっとダイアナに、「自分の手で死ぬのって、すごく悪いことだと思う?」と聞いた。ダイアナは、「その点に限って言えば、人間には自分の運命を決定する権利があると思う。人は自ら望んで生まれてくるわけではないのだから、人生があまりにも悲惨で耐えがたければ、死ぬ権利はある」という信念をユニティに語った。しかし、それでも命は助かったのだから、これからはがんばって元気にならなければならない、とつけくわえた。

ヒトラーの恋人と言われていた四女のユニティがドイツとイギリスが戦争をはじめた日にピストル自殺をはかる。奇跡的に助かった、その後の話。ダイアナは三女。この問いに、わたしはこんなにも明確には答えられないなあって思って。身近なひとに「死にたい」って言われたら、わたしは「嫌だ」って答えるだろうけど、それが悪いことなのかって聞かれたら、歯切れ悪く首をふるか、正直にわからないって言うしかないかも、と。子どもをもったりするとまた違うのかなーー。。。

キーナンはナンシーについての記事を書いていて、「姉妹とは人生のつらい災難から身を守る盾のようなもの」というナンシーの言葉について、デッカのコメントを求めた。デッカはこう答えたという。「でもね、姉妹こそ、人生の災難そのものよ!」。

ナンシーは長女でデッカは五女。この本、歴史の観点からみても、イギリス貴族の暮らしものとして読んでも、ゴシップものとしても、家族ものとしても、世界大戦の頃の思想対立とかから読んでも、なんにしても面白いけど、姉妹ものとしてほんとうに秀逸だなーと思いました。六姉妹ってほんとうにすごいな。自分はぜったいに嫌ですけど。