七色

感じることを怠けないように。

 ばいばい、グランマ

母方の実家にお墓参り。もう誰も住んでない家は、荒れ果てた庭の向こう、きっちりと雨戸が降りて、締めきられてひっそりとしてる。お線香をあげて、もらう食器を選んだり、箪笥の底を漁って曾祖父のハガキを見つけたり、本棚の隙間から古い団扇を発見したりする。めぼしいものはあらかた持っていかれてて、でも祖母の女学生時代のノートがきれいな状態で残ってたりする。すごく悲しいけど、悲しくて悲しくてどうしようもないってわけじゃなく、ああホントにもういないんだ、死んじゃったんだな、ってことがしみじみと肌でわかる。この家が好きだったなあと思う。母はそんなにいい家じゃなかった、良い両親ではなかった、って言うけど、わたしにとっては唯一安心できる「おうち」だった。子どもの頃に、今すぐおじいちゃんやおばあちゃんが死んじゃって、ここがなくなったらどうしよう?って考えると、その想像だけで泣けた。わたしが大人になるまで、たぶんこの先ずっと一緒にいる人と遺品整理なんかをできるまで、この場所を残してくれてありがとう。わたしや姉や弟のことを普通の親みたいに心配してくれたのは祖母だけだったし、祖父はそんな祖母のほとんど全てだった。


お墓参りのあと、近くのお寿司屋さんでお食事。(夫の目当てはこっち) 以下画像ばっかりなので畳みます。


小さいお店なんだけど、すごく美味しい。店主が男前で奥様もかわいい。去年の夏に結婚式の写真を渡しにきて、祖母と母と四人で食事をしたお店です。懐かしいなー。あれからまだ一年ちょっとしか経ってないなんてな。

お通し。海ぶどうとゆばと、あとなにか。ここからもうすでにおいしい。

お造り!! 中央は煮穴子。これで3人前です。去年は四人前だったので、もっとすごいタワーみたいのが出てきた。うまい…

牡蠣が殻付きかそうじゃないか選べます。ししゃもにも替えられます、と言われて、三人全員でししゃもを頼む我々。店主もびっくりだよ。でも、ししゃもすっごく美味しいです。ものすごくちょうどよく焼いてあるの。

いつものボタンエビが手に入らなくて大正エビですみません、と言われた。立派なエビ。普段のコースだとボタンエビの躍り食いとかができる。(去年夫が食べてた)


写真がないけど、この間に怒濤の蟹タイム。ズワイガニを丸ごと一杯ゆでて、店主自ら切り分けて食べさせてくれる。完全に蟹無口になる。すごく美味しい…。おなかいっぱい


ここでようやくお寿司。まぐろと、なんだったかな…。おいしいです

蟹味噌! すごく美味しいけどアルコールがけっこう入ってて、わたしはあんまり食べられず。

かにみそー

炙りトロと炙りトロサンマのお寿司。ものすごく美味しいけど、おなかいっぱいすぎて、うあうあ。

こっちがサンマで

こっちがトロかな?

しめがカツオ!! これもものすごーーく美味しかった。お腹いっぱいだったけど。

デザートは柚子シャーベット

撮り忘れたけど、自家製のおつけものをボウルにいっぱい出してくれて、その場でかつおぶしをすってかけてくれて、それもすごく美味しいです。わたしは呑めないけどお酒のメニューも豊富。母と夫がつぶつぶの蜜柑酒(甘い)をよろこんで呑んでた。

以上、六千円のコースでした。どれも本当に美味しいです。もうちょっと近ければ、もっと行きたいんだけどなあ。場所がなんつっても蘇我なので…。祖母がすごく好きだったお店なので、年に1回お墓参りのときに食べに来たいね、なんて話をした。