七色

感じることを怠けないように。

 花の香

もう咲いてるはずの梅とぜんぜんそうぐうしなくて、なんで???とかなしく思ってた。今日その謎がとけた。近所でお庭に梅の木があったおうちがなくなっちゃってるんだ。二軒も! あたらしく建った家はどっちも土地いっぱいに建物がぎゅうっと建ってる例のあれで、梅の木なんか気配すらしない。暗い道をあるいてるとき、ふいに梅の花が香るあの瞬間が、もうこの道では訪れないのか。思ったらすごくさびしくなった。うちもマンションをたてるんで庭にあった梅の木を二本(三本だったかな…)つぶしちゃった家なのでなんとも言えないけど、でもさびしすぎる。ふるくからあるおうちがどんどん消えて、ほとんど庭のない新しい家ががんがん建つ。マンションに吹き込む落ち葉の量も年々減ってる。掃除はラクなんだけど、でもさびしいなあ。あの花の香りはわたしのものだったのに。いつか庭に梅の木のある家に住みたい。