七色

感じることを怠けないように。

氷菓 (角川文庫)
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
拝み屋横丁顛末記 (1) (ZERO-SUM COMICS)
拝み屋横丁顛末記 (2) (ZERO-SUM COMICS)
拝み屋横丁顛末記 (3) (ZERO-SUM COMICS)
拝み屋横丁顛末記 (4) (ZERO-SUM COMICS)
拝み屋横丁顛末記 (5) (ZERO-SUM COMICS)

拝み屋ようやく読んだー。面白かった! 大家さんすてき。じいちゃんたち可愛い。あちこちに散りばめられた行きすぎないシュールさもいい。続きも読もう。

氷菓と春期限定は同じ作者さんの学園ミステリもの? あんまりない感じの人が死なないミステリで、これも面白かった。起こる事件はどれも他愛ない、事件とはとても呼べないような出来事の積み重ねで、それが不思議とつながってくる。

春期限定の方が好きだなあ。小市民を志すこばとくんと小山内さんのお話。連続殺人とか密室殺人とかの現場ならいざ知らず、確かに探偵なんて日常生活で出くわしたくない部類の存在だよね。「ぼくは小賢しかった、けれどそれは自慢になるようなもんじゃないって、心底思い知ったんだ。二度と調子に乗った知恵働きはしないって決めるのに、十分な打撃だったよ」「もったいぶっていたらまるで手遅れになって、逆恨みを買った。人様の幻を破って泣かせただけで、なに一つ好転しなかった。自信を持って開陳したら、圧倒的に上をいかれた」「よくあることだと思うかい? そうかもしれない。それに、そんなのよりずっとショックだったのは、だ。ぼくは気づいたんだよ」「誰かが一生懸命考えて、それでもわかんなくて悩んでいた問題を、端から口を挟んで解いてしまう。それを歓迎してくれる人は結構少ない。感謝してくれる人なんて、もっと少ない。それよりも、敬遠されること、嫌われることの方がずっと多いってね!」 「下らない思いをするぐらいなら、無芸で現状に満足する、幸せの青い鳥はわたしの部屋にいたのね的な小市民を志すって決めたんだ。そこを批判され、『腹に一物』って言われて、どうしろって言うんだよ!」 ……それでも目の前に謎があれば、どうしても頭が動いちゃうんだよね。矯正の効かない性格をなんとかしようとして、それでもぼろが出ちゃう日常こそが大事件なんだよなあ。続編も出てるようなので、そっちも読むつもり。明かされなかった二人の過去が明らかになってるのかなあ。楽しみ。