七色

感じることを怠けないように。

この前友だちのおうちにはじめて遊びに行って、はじめて行ったのにすごいなつかしい感じで、なんでなのかなーと思ったら、すごく友だちに似てたんだった。こちゃこちゃといろいろなものがあって、ぐるりと視線をめぐらせるだけで楽しかった。音楽と布と雑貨と本と、他にもたくさん。いろんなものの気配がして、なのにすごく居心地が良かった。


今わたしがいる部屋は無駄に広くて、そんなに物がないからがらんとしてて(物がないわけじゃないけど、納戸がひと部屋あればたいていのものはそこに入るから)、あからさまに放置されてるスペースがあって、あんまりこう、ていねいに愛されてる感じはしない。この部屋もわたしに似てるのかもしれないなーと思ったら、ちょっと……なんだろう、ちぇ、という気になった。


気配のあるものが部屋にあるのがずっと苦手だった。気に障らない、それほど大事でもない、ダメになったら簡単に捨ててしまえる、中途半端なものばっかりで身の回りを満たしておきたかった。でも、それってどうなのかなあ? 生活を愛したいなあ、ともずっと思ってるんだよ。ほんとは。


わたしの好きな人がこの部屋に来たとき、さみしい気持ちになるのはいやだ。がらんと静まり返った気配のない部屋。……それはそれで、わたしは実は多分すごく好きなんだけど。実は居心地がいいんだけど。好きなら別にいいのかなあ。いや、投げやりは良くない。ちっちゃいグリーンでも育てるか。