七色

感じることを怠けないように。

 夜桜

新種の蟲みたいだけど、桜。桜好きな友人がうちにいたので、今週2度観に行った。1度目は平日の夜で、花は恐ろしいほど咲き誇ってるのに、ひとはあんまりいない。きれいより恐いがまさる。2度目は土曜の夜。どの枝も重そうに垂れ下がってて、だけど風もないから花は散らない。ジャスト満開。ローカルな集まりがあちこちで催されてた。でも都心の花見よりずっとのんびりしてて、すきまがいっぱい。適当なとこにすわって、ぼんやり花やひとを見ながら、たこやきを分けて食べた。


ひとりのとき遭遇する桜は、ほんとにこわくて、どうしていいのかわからなくなる。静かなんだけど、気配も姿もうるさい。鳥羽水族館ジュゴンの部屋にひとりっきりにされたときに似てる。(部屋の三面が水槽で、中にジュゴンが二頭。人間はわたしひとり。) ひとのいる場所で見る桜は、それに比べるとちょっと安心。…それでもやっぱりざわざわはしちゃうけどね。わたしが桜をニガテと思うのと、桜好きのひとがこの花を好きと思うのと、ゆれてる場所は近いんだろうなあ。こわがるばっかりなのと、心地好くもあるのとの差なんだろう。…いや、わたしもざわざわしたヨロコビはあるんだけどね。1年に1度まぼろしみたいに出会えるのはいいけど、日々一緒に暮らす気はしない。(そ、それはみんなそうかしら。)


そういえば地元の神社の桜は割と立派みたい。友人が言っていたので多分。確かに桜ばっかり、大きい木が何本も(20本くらいあるのかな)植わってる。昔から見慣れていたので、あんなものかと思ってた。へえ。